7004 日立造船
様々な「脱炭素」材料やテーマを内包している日立造船。
米国ファンドの大量報告書をきっかけに注目度と株価が急上昇中です。
テーマも豊富にありますが、新中期経営計画「Forward22」による収益力の強化も見逃せません。
2/9の第3四半期の決算発表で通期の上方修正を発表しましたが、まだまだ保守的な見通しと考えています。
そこで、決算データをじっくり考察したいと思います。
併せて、通期の経常利益を従来予想の65億円→75億円(前期は94.2億円)に15.4%上方修正し、減益率が31.1%減→20.5%減に縮小する見通しとなった。
企業概要
環境プラントメーカー。ごみ焼却発電施設納入実績は世界1位。
クリーンなエネルギー創出をコア事業としている。
材料やテーマが豊富で、「脱炭素」「全固体電池」「洋上風力発電」などで注目も。
主要事業は以下の通り。()は売上比率。
●環境・プラント事業 (63%)
ごみ焼却発電・リサイクル施設、水・汚泥処理施設、廃棄物発電システム、再生可能エネルギー、環境浄化システム
●機械事業 (26%)
舶用原動機、舶用甲板機械、鍛圧機械、ボイラ
●インフラ事業 (8%)
橋梁、水門扉、煙突、海洋土木、シールド掘進機
●新分野事業 (3%)
舶用SCR、洋上風力発電、ゼオライト膜脱水システム、太陽熱発電、有機EL製造装置、全固体電池を低コストに製造する技術開発・製品化などを推進。
新中期経営計画「Forward22」
「2022年度には営業利益率5%を目指す」とあります。
が、今期2021年度も5%近い数字がでるんじゃないかと・・・
四半期 | 2019/3 営業利益(百万円)・率 | 2020/3 営業利益(百万円)・率 | 2020/3 営業利益(百万円)・率 | |||
1Q | -5,049 | -7.11% | -6,426 | -9.05% | -4,066 | -5.38% |
2Q | -3,447 | -4.19% | 93 | 0.10% | 2,765 | 3.03% |
3Q | -1,435 | -1.67% | 3,677 | 3.80% | 3,648 | 3.81% |
4Q | 17,289 | 12.44% | 16,547 | 12.05% | ||
通期 | 7,358 | 1.95% | 13,891 | 3.45% | (予)13,500 | 3.38% |
今期はなんと、2Qからしっかり営業利益が計上されています。年度末の4Qの利益が例年通りに発生すれば増益は間違いないと思いますが・・・。
決算期 | 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 営業利益率 | 当期利益 (百万円) | EPS (円) | |
2019/3 | 378,140 | 7,358 | 1.95% | 5,445 | 32.3 | |
2020/3 | 402,450 | 13,891 | 3.45% | 2,197 | 13.0 | |
2021/3(予) | 400,000 | 13,500 | 3.38% | 4,500 | 26.7 | |
今期中に営業利益率が5%を達成した場合 | ||||||
2021/3(妄想) | 400,000 | (20,000) | (5.00%) | (11,000) | (65.3) | |
今期に売上営業率が5%達成したとして、増益分65億円がそのまま最終利益に上乗せされると考えると、EPS=65.3円と想定できます。PERに応じて株価を考えてみると、
PER=15倍では、株価=980円
PER=20倍では、株価=1,306円
PER=30倍では、株価=1,959円
新中期経営計画による「収益力の強化」、脱炭素の世界的な流れで「売上大幅増」、グロース銘柄として注目度と人気が上がり「高PER銘柄」の3つの効果が重なれば上場来高値(’91.12)の7,380円も夢じゃない!